2009年12月31日

習副主席来日 次世代にらむ関係築け

 中国の習近平国家副主席が14日来日し、鳩山由紀夫首相と会談した。中国側の希望で天皇陛下とも会見する。

 民主党に政権交代してから中国首脳の来日は初めてである。鳩山首相は、東アジア共同体構想を提唱するなどアジア重視を自任してきた。なかでも中国は、政治的、経済的に世界規模の影響力を持つ重要な隣国である。その中国の首脳との往来を重ねて良好な関係を築くことはアジア外交の土台である。

 米国はオバマ大統領が東京演説、上海演説で中国重視の姿勢を表明し、米中首脳対話を重ねている。米中G2という言い方があるほどだ。米中が接近する以上、日本は米国との関係も中国との関係も大切にしなければならない。

 しかし過去の日中関係を振り返ると、決して安定した関係とはいえなかった。自民党政権では、とくに小泉純一郎首相の靖国神社参拝で歴史認識問題をめぐる対立が深まった。中国各地で反日デモが起きるなど対日感情が悪化した。日本でも、急激な軍備増強など台頭する中国を見て脅威論や嫌中感情が高まった。

 その後、「戦略的互恵関係」が提唱され首脳交流も復活したが、まだ国民感情が改善したといえるまでにはいたっていない。東シナ海のガス田共同開発や毒ギョーザ事件など外交のテーブルにのりながら、双方とも厳しい世論を背にして容易に出口が見いだせない。

 米国は、かつて人権問題で中国を激しく批判してきたが、ブッシュ前政権時代にハイレベルの経済対話枠組みを作った。オバマ大統領になって、政治対話の枠組みが加わった。

 政権交代後、鳩山首相は国連総会などの場を利用して、胡錦濤国家主席、温家宝首相など中国の首脳と会談を続けてきた。同時に、今回のような首脳の相互往来を継続して、信頼関係をさらに高める必要がある。

 習副主席は、順調にいけば2012年には胡主席の後継者となると目されている。日本の後、韓国、カンボジア、ミャンマーを訪問する。トップリーダーとなる日のための準備と見ることもできる。

 今回、天皇陛下との会見を望んだのも、胡主席が副主席の時代に天皇と面会した前例に沿ったものだといわれる。人気歌手の彭麗媛(ほうれいえん)夫人は先月来日し、公演には皇太子さまが招待された。長期的な展望に立って日中関係を考えようとする姿勢の表れだ。日程調整で混乱が起きたが、それも日中の往来が長い間活発でなかったからではないか。首相との会談に先だって、習氏は中国文化センターの開所式に出席した。民間交流も進めようというメッセージだろう。
posted by hiro at 12:02| 大手新聞社説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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